ブラウザーの「戻る」ボタンでお戻りください

 
おいしいワ!メールマガジン 【まぐまぐID:0000003524】
http://www.oisii.com/ 2000/4/26発行 Vol.81
 
【ぼっちの放牧】

 ルッコラという野菜をご存じですか? イタリアンがお好きな方はきっとご存 知だと思いますが、一見、サラダほうれん草に似たあの野菜です。最近は大手 スーパーなどでも手に入るようになっていますが、ちょっぴりほろ苦く、ごま の香りがぷんとするおいしい野菜で、ぼっちも大好物。そのルッコラをはじめ 様々なイタリア野菜を栽培しているのが愛知県豊橋市にある「ファットリア葦 毛(いもう)の里」。運営しているのは「社会福祉法人岩崎学園」という知 的障害者施設。もともと知的障害を持つ方々の実習農場としてスタートしたこの農場ですが、試行錯誤を繰り返し、今や知る人ぞ知るおいしいイタリア野菜 の農場。 ちなみに「葦毛の里」というのは、学園の前に広がる県立自然公園「葦毛湿原」 にちなんだ学園の愛称なんだそうです。

  ぼっちは1月のある日(掲載が遅れてごめんなさい)、この「ファットリア葦毛の里」にお邪魔してきました。学園のまわりにはのどかな田園風景がひろがって おり、そんな景色の中でイタリア野菜たちがすくすくと育っていました。案内 役を引き受けて下さったのは園長の松下先生。ぼっちは昨年、ひょんなきっかけでこの松下先生と出会い、ことあるごとに学園やルッコラの話を聞いている うちに、是非学園を訪問してみたいという希望が叶っての初訪問となりました。もともとイタリア・ミラノから野菜の種を学園に持ち込んだのもこの松下先生。 とにかく好奇心のかたまりのような方で、インターネットのヘビーユーザーでもあるんです。日本の福祉行政に風穴を開けるべく日夜飛び回っておられるか と思い気や、突如としてベルギー王室直属の合奏団を招いてディナーコンサー トを開いたり、その好奇の対象はとてつもなく幅広い。

 そんな松下先生に案内されて、最初に訪れたのはアーティチョーク畑。アーティチョークは朝鮮あざみの花のつぼみで花托の部分を食す珍しい野菜だが、 つぼみができるのは春なので、株だけの見学となる(もう今ごろは立派なつぼみ ができているかも…?!)。多年草で一株がかなり大きくなるため、結構間隔を おいて植えてある。 畑でお話していた時のこと。散歩途中のご夫妻が、見慣れぬ野菜が植わっているのに興味を惹かれて、話しかけてきた。熱心に質問に応える松下先生。ぼっちも横でうなずきながら、一緒に耳を傾ける。松下先生は何事にも熱心に取り組まれる方だが、特にこのイタリア野菜にかける情熱はすごい。学園の仕事を通り越して、まるで我が子を見守るような感覚でイタリア野菜を育んでいる。 こんなに愛情を注がれて育つ野菜は絶対においしいに決まってる。事実、この学園の野菜たちは、全国各地の高級イタリアレストランでも使われていて、素材にこだわる厳しいシェフの目と舌をうならせるほど、その味と品質には定評がある。

  次に案内して頂いたのは、ハウスで水耕栽培の畑。ぼっちはこれだけの豊かな自然の中で、何でわざわざ水耕栽培なのかと不思議に思っていたが、変化のある生活に馴染めない自閉症の方でも安心して働けるようにとの配慮らしい。 知的障害に対する知識に乏しいぼっちだったが、なるほど、そういうものなのかと納得。このハウスにはお目当てのルッコラをはじめ、セルヴァチカという 野生種のルッコラ、イタリアンパセリなどのハーブもある。ルッコラは近づくだけで香りを感じられるほど香り高いし、野生種のルッコラはタンポポの葉っぱのようにぎざぎざしていて、味も香りもしっかりしていておいしい。ルッコラは比較的短期間(3〜4週間ほど)で収穫できるので、少しづつ日にちをずら して栽培しているらしい。規則的に並んで収穫を待つ野菜たちは整然として美 しく、これだけの畑をちゃんと管理するのは、大変なことだろうなあと改めて思う。 通りを挟んだハウスの方は土栽培。フェンネル、プンタレッラ、ミニトマト のボルゲーゼ、ちりめんキャベツなど、名前を覚えきれないくらいのたくさんの野菜が育っている。

 普通の畑と違うところは畝の間隔を広くとってあるところ。車イスでも作業しやすいように工夫されている。同じように見えても付いている札を見ると名前が違っていて、いろいろな品種を試してみたいという松下先生のこだわりを感じる。食いしん坊のぼっちにとって、ひとつひとつの香りを確かめながら、時にはつまんで味わいながらの畑のお散歩は、限りなく優雅で至福の時間。見学を終えてから、オリーブオイルとバルサミコ、そして塩、 粗びきの黒胡椒を持ってハウスに入るべきだったと後悔したことをこっそり告白しておきます…。

 残念ながら、これらの野菜はレストランなどの業務用として流通されているので、個人ではオーダーできません。…が、提携先のレストランで召し上がる ことができますので、岩崎学園のルッコラを常時食べられるお店をご紹介して おきます。学園のルッコラを食べた感想などをいただけると、作り手にとっての励みになると思うので、よかったら(いや、絶対にと言っておこうかな?!)感想もお待ちしています。ぼっちが責任を持って学園に転送します。

※ルッコラを常時食べられるお店については、メールマガジン掲載時の情報とと若干異なる部分がありますので、こちら(※ブラウザーボタンでお戻りください)を参照してください。

社会福祉法人岩崎学園(ファットリア葦毛の里)
愛知県豊橋市岩崎町字利兵71
TEL 0532-61-2062/FAX 0532-62-7235

おいしいワ!情報部員 ぼっち

ブラウザーの「戻る」ボタンでお戻りください