シラタマホシクサ(白玉星草)のこと
葦毛湿原に咲く白玉星草  伊勢湾沿岸の湿地帯という限られた地域にだけ生息する1年草で、甘い香りをほのかに漂わせながら、8〜10月にかけて咲き続けます。高さは30〜60cmになり、直径6〜8mmの白い玉のような愛らしい小さな花をつけます。学園の前にある「葦毛湿原」は「東海の尾瀬」とも呼ばれ天然記念物に指定されており、このシラタマホシクサをはじめ、貴重な植物の生息地として知られています。かつては湿原一面に見られたシラタマホシクサの群生も、湿原の植生の変化と散策者の増加に伴い、年々その規模が小さくなってきています。残り少ない貴重な自生地を大切にしたいものです。
 
 製作のきっかけ
 1984年の春、園長の松下は国際交流活動が縁で、名古屋市在住のフラワーデザイナー・酒井登美子さんと出会いました。松下は名古屋三越で催された酒井さんの主宰するフラワーデザイン教室の発表会で、草木染によるペーパーフラワーの魅力に惹かれ、シラタマホシクサについて話をするようになりました。
 創作活動や国際交流などで忙しい酒井さんとのおつきあいはその後も続き、折に触れ学園の子どもたちの話やシラタマホシクサの話をしたり、学園を訪れていただきながら交流を深めてゆきました。
 その後、酒井さんは妊娠。初産としては高齢だったために、障害を持った子どもが生まれてくるのではないか、という不安を抱きながらも無事に出産。健康なお子さんに恵まれた酒井さんは、学園の子どもたちのことを思い出し、ある日「ペーパーフラワーを通して、学園の子どもたちの自立に向けた援助ができないだろうか」というご提案をいただいたのです。
 松下は迷うことなくこの提案を実行に移しました。こうして酒井さんの熱心な指導のもと、シラタマホシクサをモチーフにした「ポップフラワー」の製作が始まりました。
 
 ポップフラワー作り
 
液体状の発泡スチロールを細い茎の上につけ、熱で温めると、膨れ上がって白く愛らしいシラタマホシクサの花ができあがります。この茎に葉をつけ、籐かごにたくさん差し込んで、最後にラッピングをして仕上げます。学園の子どもたちは障害の程度に合わせてこれらの作業を分担しています。時折、花を焦がしてしまうというハプニングもありますが、みんなで協力しながら、この「ポップフラワー」の製作に取り組んでいます。