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ダンス・ウィズ・ウルブス
 忙しいという字は心を亡くすと書く。心を亡くしては、知的な障害を持つ人たちの支えにはなれまい。心を亡くしかけていた編集子は、3時間の閑を求め久し振りに映画を見ることにした。日常性の延長の中で、自宅のテレビの前に陣取り,カウチポテトを決めこむのではなく、映画は断じて劇場でフルサイズの画面と音響効果の中で見るべきである。

 どこかで聞いた話だが、映画の画面に感情移入しやすい視野角度は30度以上だそうだ。俗にいう、画面に吸い込まれるというやつである。

 映画監督にとってカメラのフレームは,画家のキャンバスと同じで、自己表現のすべてである。限られた枠の中に凝縮された芸術に無駄な部分はないだろう。

 映画サイズをテレビサイズにすれば、確実に1/3の情報量が減る。劇場で見た映画をテレビで見ると、物足りなさを感じるのはこんなところからくるのだろう。

 時間をさいて映画館に行く日常性からの脱却が,亡くしかけていた心をリフレッシュするための手近な妙薬かもしれない。

 『ダンス・ウィズ・ウルブス』。 題名は主人公に付けられた狼と踊る男というインディアン名。西部開拓史の中でフロンティアに憧れる若き誠実な北軍中尉の主人公が、本来追いやるべきインディアンと偏見を脱ぎ捨て、大自然の調和の中で人間的な関わりを持つうちに、自らが白人に追われる側のインディアンの一員になってしまったものの、インディアンになりきることもできず白人の世界に戻ることもできず、歴史の谷間に埋もれていった男の話。

 編集子は映画を見終えた後で、白人を障害を持たない人、インディアンを障害を持つ人、主人公を援助者に置き換えてみたがいかがなものか。

 それはともかく、映像の美しさは抜群。3時間の長編でありながら時間を感じさせない映画であった。

亡くしかけていた心が戻ったことを報告するとともに、是非ご鑑賞をお薦めする。蛇足ながら、ご鑑賞の際はハンカチかタオルをお忘れなく。

発行日:1994年(平成6年)11月15日
掲載誌:「AIGO」第452号に寄せた編集後記より一部抜粋
発行元:日本知的障害者福祉協会